国指定・登録文化財

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更新日:2023年03月01日

上白岩遺跡、木造大日如来坐像、天城山隧道の3件が国の指定を受けています。他に旅館など23件が有形文化財として国に登録されています。

上白岩遺跡

一面芝生の中に円形に掘られた土が見えている上白岩遺跡の写真

上白岩遺跡は、今から約4千年前の縄文時代中期から後期にかけて営まれた遺跡です。大見川の河岸段丘に立地しています。

昭和51年に最初の地域を発掘調査したところ、多くの土器や石器とともに、縄文時代後期を中心とする大規模な配石遺構が発見されました。その中の環状の積石遺構は、大小数個の石で細長い石を中心に円形に配置し、これらを鎖のように連続して並べ直径約15メートルの環状にしたもので、全国的にも非常に珍しいものです。

また、配石遺構の下部からは墓地と考えられる多くの土壙や埋甕が発見され、性格が明確でない配石遺構の一面を示す貴重な資料です。これらの配石遺構や住居址、土壙は、さらに東側の区域にも広がっており、全体では全国でも有数の規模を持つ遺跡であると考えられています。

 昭和53年1月27日指定 伊豆市上白岩

木造大日如来坐像

左手の人差し指を右手の掌で覆い、座禅を組んでいる大日如来坐像の写真

昭和60年(1985)解体修復の折、胴の部分に記された墨書によって制作者、制作年月日が判明しました。この像は源頼家の母政子が頼家の七回忌に奈良の仏師実慶に造らせたとされています。

また、胎内から錦の布に包まれた三束の女性の毛髪が出てきて、NHKで「謎の黒髪」として報道され話題となりました。

寄木造、玉眼、像高100.5センチメートル、膝張74.0センチメートル 承元4年(1210)8月 実慶制作

 平成5年1月20日指定 伊豆市修善寺964(小坂)修禅寺

天城山隧道(旧天城トンネル)

暗闇のトンネルの先に沢山の木や紅葉が見える天城山隧道の写真

伊豆半島のほぼ中央にある天城山隧道は、三島と下田を結ぶ街道の改良工事の一環として、明治33年~37年に造られました。全長約445.5メートル、幅員約4.1メートル、隧道の両端には石造坑門が設けられていて、隧道内壁と坑門はすべて「石巻」と呼ばれる切り石を積み上げる工法で造られています。石材加工に発揮された精巧な技術が認められます。

明治期においても総石造りの隧道は珍しく、全長が500メートルに迫る規模も最大級で、明治時代後期(3、40年代)を代表する石造りの道路隧道として高い評価を得ています。

天城山隧道は、川端康成の「伊豆の踊り子」のほか井上靖の「しろばんば」や松本清張の「天城越え」などにも描かれ全国的な知名度が高く、新緑の春、紅葉の秋を中心に、年間を通して多くの観光客やハイカーの人気を集めています。

 平成13年6月15日指定 重要文化財(建造物)

新井旅館青州楼他 (国登録有形文化財)

白い壁と瓦の屋根の頂上に六角の洋風塔屋がついている新井旅館青州楼他の建物の写真

新井旅館15棟の建造物は、平成10年に国の有形文化財として登録されました。青州楼は明治14年の建築です。城郭建築の木造3階建ての上に六角の洋風塔屋があり、その美しさは当時から修善寺温泉のシンボル的存在となっています。

その他建築年の古い順に雪の棟、渡りの橋、霞の棟、月の棟、甘泉楼、紅葉、山陽荘、天平風呂、あやめの棟、花の棟、観音堂、水蔵があります。

 平成10年9月2日登録 伊豆市修善寺

眠雲閣落合樓(みんうんかくおちあいろう)(国登録有形文化財)

奥に畳の部屋と壁の模様が見える瓦の屋根と木造で造られた眠雲閣落合樓の玄関写真

平成11年、眠雲閣落合樓の玄関棟、本館、眠雲亭、紫檀宴会場、配膳室階段棟が国の登録有形文化財に登録されました。

眠雲閣落合樓の建築は技術水準が高く、当地にて旅館建築が盛んで大工の技量が優れ、高品質の材料が入手可能であった昭和初期の時代性を、建物のすみずみから感じることができます。

平成11年11月18日登録 伊豆市湯ヶ島

眠雲閣落合樓 住居棟及び廊下、応接棟 (国登録有形文化財)

住居棟及び廊下、応接棟が、あらたに登録されました。

住居棟は昭和10年ごろの建築で、玄関棟から東に向かう廊下と連絡する旅館主の居宅、地階に浴室を置く3層構成です。1階は玄関・洋室・8畳と10畳の和室、2階は8畳和室と洋室2室から成っています。

応接棟は入母屋造りで赤色桟瓦葦の木造2階建です。

 平成17年2月9日登録 伊豆市湯ヶ島

大井上康学術文献資料館 (国登録有形文化財)

白い壁で造られた大井上康学術文献資料館の外観と左上にメガネをかけ髭を生やした大井上康の顔が写っている写真

大井上康は、明治25年広島県出身です。茨城県のブドウ園で技師として働いた後、自分の農業理論を実践するため「理農学研究所」を設立して、本格的なブドウの研究をこの地で始めました。

苦悩の研究の末、昭和19年に新品種の交配に成功し、研究所から見える富士山にちなんで、ブドウは巨峰と命名されました。
この建物は木造平屋建ての洋風建築で103.15平方メートル。大井上康が大正8年にブドウの研究をするために自ら設計し、東京から大工を連れてきて建築した建物です。

現在は、さまざまな学術資料が展示・保管されています。

 平成12年9月26日登録 伊豆市上白岩

この記事に関するお問い合わせ先

社会教育課 生涯学習スタッフ
伊豆市八幡500-1
電話:0558-83-5476 ファックス:0558-83-5480
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