天城の遺跡

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更新日:2023年03月01日

天城地区には、現在7ヶ所の遺跡が確認されています。その中から主なものを紹介します。

赤崩遺跡 (伊豆市大平柿木字赤崩) アカクズレイセキ

中央が少しくぼんでいる石の白黒写真

石皿

 伊豆市松ヶ瀬から狩野川の支流である柿木川沿いに上流へ3キロメートルほど進むと赤崩地区があり、そこに埋蔵文化財周知の遺跡である赤崩遺跡が存在している。
 赤崩の河岸段丘上の水田工事中に出土したと伝えられる石皿4点とほぼ六角形の石棒1点が、付近の民家と八坂神社内に保存されている(昭和38年「天城湯ヶ島町の先史時代」において、数十年前と表記されている)。
 八坂神社に奉納されている石皿1点は欠損もなく、特に保存状態が良い。また、磨製石斧も同時に出土したと伝えられるが、東京大学にあるのみ伝えられていて現在は確認ができていない。

半円のような形で、中央が渦を巻いているような石の白黒写真

石皿

表面がぼこぼこしているような細長い石の白黒写真

石皿

軽石のような質感の細長い石の白黒写真

石棒(六角形)

大きな薄い丸のような形をした石の白黒写真

石皿

原ノ前遺跡 (伊豆市下船原) ハラノマエイセキ

 原ノ前遺跡は、狩野川に注ぐ船原川沿いに5キロメートルほど上流へ遡ったところに位置し、縄文時代中期頃と推定される埋蔵文化財周知の遺跡である。
 助神社鳥居前の水田から出土したという磨製石斧1点と黒曜石の鏃(やじり)1点が宝蔵院に保存されている。しかし、「天城湯ヶ島町の先史時代」には「助神社裏の畑から黒曜石が採集される」との記載があることから、ある程度の広がりを持った遺跡であると推定される。

両端のうち片方は丸みを帯び、もう片方は少し尖ったような形をしている石斧の白黒写真

磨製石斧

クジラの尾びれのような形で、表面が少しボコボコしている質感の石の白黒写真

石鏃

月ヶ瀬遺跡 (伊豆市月ヶ瀬) ツキガセイセキ

 月ヶ瀬遺跡は狩野川左岸の月ヶ瀬地区に所在し、天城中学校南東側の河岸段丘最上面に位置し、現在遺跡一帯は宅地・畑地・神社となっている。
 古くからその存在を知られていた遺跡で、大正7年6月発行の『静岡県田方郡誌』や昭和5年3月発行の『静岡県史』にも記録が残っている。
 正式な発掘(第一次)調査は1972年に行われ、石囲炉を持つ直径5メートルの円形住居跡が確認され、 入谷平4式期(縄文時代中・後期)を中心にした土器と打製石斧(だせいせきふ)1点、石鏃(せきぞく)2点が出土した。
 その後、町道拡幅に伴う発掘(第二次・第三次)調査が1995年から1997年まで断続的に行われ、配石遺構・土坑・竪穴状遺構・焼土跡・柱穴跡などの遺構と、土器片・磨石(すりいし)・石皿・打製石斧・磨製石斧(ませいせきふ)・礫器(れっき)・石鏃等の他に、クルミの果核・織物に使用した礫石錘・石棒・線刻礫が出土した。
 2003年には第四次調査が行われ、狭い範囲ながらも、竪穴住居跡・配石遺構・土坑・ピット等の遺構や縄文土器・石鏃・石皿・磨石・敲石(たたきいし)が出土した。
 月ヶ瀬遺跡は縄文時代の集落跡や中世の塚など広大な複合遺跡と思われる。

包丁のような刃と持ち手のような形のところに字が彫られている石の白黒写真

包丁形石斧

楕円形で、上の方に漢字の三のような字が彫られている石の白黒写真

打製石斧

天城地区遺跡一覧

天城地区にある7種類の遺跡一覧
番号 遺跡名 時代 所在地 主な出土品 備考
1 赤崩遺跡 縄文 大平柿木 石器  
2 狩野城跡 中世 青羽根    
3 狩野塚古墳群 中世 青羽根    
4 原ノ前遺跡 縄文 下船原 石器  
5 月ヶ瀬遺跡 縄文、近世 月ヶ瀬 縄文土器、石器、土坑 平成7年~9年調査
6 西斗遺跡 縄文 吉奈 土器  
7 前ノ原遺跡 縄文 吉奈 土器、石器  

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伊豆市八幡500-1
電話:0558-83-5476 ファックス:0558-83-5480
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